11月 062016
 

GOAL によると。

火曜日の朝、ボルシア・ドルトムントの練習場で起こったことは確かに奇妙だった――。

その場に居合わせた記者たちは、怪我による長期離脱組以外は全員がそろっていると思っていた。だが後になってようやく、先週の土曜に行われたレヴィアダービーのシャルケ戦でまだピッチに立っていた一人の選手がそこにいなかったことに気づいたのだ。

というのも、そこには香川真司の姿がなかったからだ。今なら、あの日本人はとても小柄だから、大勢の練習グループの中に紛れてるんだろうと言うかもしれない。だがひょっとしたら、ただ単に、結局どっちみち彼は目につかないという印象を持っていたせいだったかもしれない。

なぜなら、すでに27歳になる香川のプレーにはここ数週間特に目を引くようなところがなかったからだ。ゴンサロ・カストロとラファエル・ゲレイロが怪我で休まざるをえなかった期間は、香川にとって今後も試合に出るために自分を売り込むチャンスだったのだが、事はうまくは運ばなかった。マリオ・ゲッツェの隣で彼は消えてしまい、ほとんど試合に参加していなかった。

トーマス・トゥヘル監督の下で試合に出るためには、がむしゃらになって戦わなければならなかったのだが、相手ゴールを脅かす危険な存在感を発揮できなかったのはもちろん、時折ドルトムントの攻撃中に最前列で傍観者になっていた。水曜に行われるチャンピオンズリーグのスポルティング・リスボン戦は、くるぶしの腫れのため欠場してスタンドで観戦しなければならない。

■香川は機能していない

これまでにスポルティング・リスボン、インゴルシュタット、シャルケとの3戦で香川は先発に起用されているが、その際得られた苦い認識は中盤に置かれた香川がちゃんと機能していないということだ。もともと香川は、試合に落ち着きと視野の広さをもたらすということで知られている。香川のボールさばきの巧みさはトゥヘルも評価している。しかし、それが活かされるシーンは少なく、1対1の状況で相手をかわすことがほとんどない。デュエルでの彼の勝率はたったの41.7%である。

良かったのはドイツカップの時だけ:ゴールを挙げてウスマン・デンベレと共に喜ぶ香川

それに、もはや香川はゲームを指揮してパスを出す危険な選手ではなくなっている。自分でも、他の選手を使っても、相手ゴールを脅かすことがめったにない。確かに味方の陣地ではボールを先へ運び、素早く方向転換して相手選手を置き去りにすることができる。だがアタッキングサードへ入るやいなや、彼の推進力は消えてしまう。

■数字を見れば彼の不調がわかる

香川のパスは以前と同じように安定している。彼が出すパスの89.3%が味方につながっており、敵陣ではその率は89.7%に上る。しかし、深いところへのスルーパスはめったにない。味方に斜めパスや、それどころかバックパスを送る方を好み、リスクを冒すのを避けている。彼のゴールについても同じことが言える。リーグでこれまで6回投入されてゴールはゼロ、アシストもひとつもない。それでも、味方の5本のシュートはお膳立てした。

香川が喜ぶ姿を見る機会はますます減っている

香川がゲッツェの隣で旋風を巻き起こし、2人がドルトムントに勝利に次ぐ勝利をもたらして栄光に包まれていた時代はとうの昔に過ぎ去った。失意のマンチェスター・ユナイテッド時代を経て、香川は今なおかつての調子を、とりわけ今は失われてしまった相手ゴール前での軽快さを取り戻そうと努めている。そういう状況の中、このテクニシャンにとっての今シーズンはドイツカップのアイントラハト・トリーア戦で非常にいいスタートを切った。彼は2得点を挙げたのだ。当時トーマス・トゥヘル監督は夢中になって彼のことを話題にした。香川は「すばらしいパフォーマンスを見せている、今シーズンもそうだが、昨シーズンの終わりもそうだった」、さらに「気持ちを入れてどんな練習メニューもなおざりにしない」、「全くの手本だ」と。

■ベンチ要員の危機

しかしおそらく近い将来、この”お手本”はベンチから試合を見るしかなくなるかもしれない。カストロ、ゲレイロ、さらにアンドレ・シュールレもチームの練習に復帰すれば、トゥヘルはシーズンの初めに成果を出した攻撃的な選手をたち再び引っ張り出すだろう。チャンピオンズリーグのスポルティング戦も香川は怪我のせいで休むことになるだろうから、なおさらその可能性が高い。しかし今後の試合のプラン設計において、どっちみち香川にはそれほど重要でない役割しか与えられないだろう。「パフォーマンスの密度が高ければいろいろなポジションをめぐって厳しい競争になる」と、かつてドルトムントのGMミヒャエル・ツォルクはドイツ誌『キッカー』に語った。「それは望ましいことだ」と。

真価を示す機会を与えられはしたが、香川はこの競争から脱落することだろう。いずれにせよ、スターティングメンバーへの起用はとりあえずまだ遠い先の話になった。それどころか長期的に見れば、彼には今ベンチ要員の危機が迫っているのかもしれない。多くの負傷者が戻って来るのはベンチ席なのだから。「我々は新しい役割を見つけ出す必要がある」と、先日トゥヘル監督は説明していた。香川はこのチャンスを逃したようだ。

 Posted by at 12:20 AM

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